本園は昭和21年、寺院活動の一環として顕真日曜学校にはじまります。まもなく、戦後幼児のおかれる社会環境の荒廃を憂い、保育園を設立してその基礎を築きます。その後、幼児教育に方向を切り替えて「仏のこども」を育てるという教育理念のもとに幼稚園としての発展を遂げ、その目的を達成すべく努力精進しながら今日に到っております。
　さて、子どもたちは日々周りの全てを吸収しながら、様々なことを学び無限の可能性をもって成長をしてゆきます。特に、この幼児期は生涯にわたる人間形成の基礎を培う極めて重要な時期だといわれています。その大切な時期に、はじめてご両親のもとを離れて生活する幼稚園は、お子さんたちにとっては最初に出会う学校で、不安や期待を抱きながら新しい生活をスタートさせます。
　けんしん幼稚園は、子どもの目線を大切にと考えています。きれい、可愛い、寂しい、悔しい、楽しい、悲しい、嬉しい・・・・子ども達の様々な心の動きは、お友達や自然との関わりの中で培われ、それは優しさやおもいやり、意欲や粘り強さへとつながっていきます。子ども達が安心してのびのびと遊び、様々なことを学び吸収していける園生活であるためには、一番身近にある教師が、同じ目の高さで子ども一人ひとりの思いに寄り添い、心を通わせながら信頼関係を築いていくことが最も大事なことだと考えています。
　子どもや家庭を取り巻く環境は大きく変化し、地域社会における連帯感や人間関係が希薄化しており、子育て機能が低下し、子どもの健やかな成長を阻害する要因が増大しています。今こそ、子どもの内面に湧き起こる生きる力、豊かな心を育てることが、より重要になってきています。
　「『ありがとう』といってみたら、とても気持ちがよかったね」
本当に大切なものは、目に見えるものより目に映らないものの中にあるということをしっかりと伝えたい。それはきっとお子さんの生涯をうるおし、より豊かに生きるための礎になることを信じてやみません。